7.




まっくろな空。

ぎんいろの月の明かり。

まっくろな鳥。

まっしろな雪だるまたち。


むかしは じぶんが そうやって つれて来られたことも忘れて、ひろくんは とてもきれいな その光景を ずっと ながめていました。


そして…


ばさっばさっ ばさっばさっ


【…ん?今日が はじめて雪が降ったと思ったけど…もう だれかが雪だるまを つれて来たのかな。】


ばさっばさっ ばさっばさっ


【…あれ?あれは ひろくん?】


ばさっばさっ ばさっばさっ


ばさっばさっ ばさっばさっ・・・


「こんばんは!」

【こんばんは…。きみは ひろくん かい?】

「?はい。そうですけど…もしかして、ぼくを ここに つれて来てくれた 鳥さんですか?」

【そうだけど…きみは、ずっと ここにいたのかい?】

「はい。」

【ほかのみんなは?】

「みんないっしょに あの山のてっぺんに走って、ぼくがゴールしたら どこかに行っちゃいました。」

【…雪が溶けても、きみは だいじょうぶだったのかい?】

「…溶ける?」

【あぁ…えぇと…このあたりから雪がなくなっても だいじょうぶだったのかい?】

「?はい。みんなどこかにいっちゃったので、川でおよいだり もりの葉っぱのベットで寝たりして あそんでいました。」

【そうか…。】

「それより、みんなをつれて来てくれたんですか?」

【あ、いや…これは…】

「?」

【きのう、すごくたくさん雪がふったろう?】

「はい、すごかったですよね!」

【その時にできた子たちなんだよ。】

「じゃぁ、前に ぼくが いっしょに あそんだ みんなとは ちがうの?」

【…そうだね。】

「…まぁいいや!一人であそぶのも楽しかったけど…ぼく、やっぱり、みんなといっしょにあそぶ方が好きだから!」

【…そうだね。みんなといっしょの方がたのしいよね。】

「うん!」

【じゃぁ、こんどは この子たちに ひろくんが あそびを おしえてあげて くれるかい?】

「うん、いいよ!」

【それと…さいごの日は、またみんなといっしょに、あの山のてっぺんまで かけっこして くれるかい?】

「いいけど…さいご?」

【あ…あの山のてっぺんが見えない さいごの日が おわったら…ね?】

「わかりました!あ、あと、1つきいてもいいですか?」

【なんだい?】

「いっしょに かけっこしてから、みんなはどこに行ったの?」

【…う〜ん…】

「もう もどって来ないの?」

【…あの子たちはね、今はべつのところに いるんだよ。】

「べつのところ?」

【そう、べつのところにね。そうしないと、毎年雪だるまをつれて来たら、このひろばが雪だるまでいっぱいになっちゃうでしょ?】

「あ、そっか!」

【この前は ひろくんはいっしょに行けなかったけど、今度はみんなといっしょに行けるといいね。】

「うん!」

【さぁ!みんなのところに行っておいで!!】

「はーい!」


【……】



ひろくんがみんなのところに行くと、みんな自分をつれて来てくれた鳥とお話をして、ねてしまっていました。

ひろくんは、まだ夜だったことも忘れてしまっていました。

みんなねているのだから だれも見ていないのに、みんな ねているのに はしゃいでしまって はずかしく思いました。


でも、ねているみんなを見ていると

「みんな、はやく起きないかな。はやく いっしょに あそびたいな。」

とか

「ぼくが来たときは、ぼくだけが ねてたんだったっけ。あの時も、みんなはこんな気持ちだったのかな」

とか、色々なことを思っていました。

そのうち、自分につもった雪かきで いそがしかったひろくんも、もういちど ねむってしまいました。



みんなといっしょだったころの、たのしい気持ちを かんじながら。




一人になってからは なくなってしまった気持ちを かんじながら…。