2.
上を見れば、輝く太陽。
下を見れば、やわらかそうな雲。
周りを見れば、どこまでも続く青い空。
ヒロくんの手を離れた凧のタカは、風に乗って漂っていました。
「暇だぁ〜」
この辺りの空を飛んでいるのは、タカだけでした。
「俺以外に飛んでる凧もないし…何かいないかねぇ…」
何日も辺りを見回しましたが、漂っているのはタカだけ。
「暇だぁ〜」
タカのひとりごとを聞いてくれるものは、誰もいませんでした。
それから数日後。
「暇だぁ〜」
相変わらず、1人ぼっちなタカ。
目を開けても見えるのは空ばかり。
いつしかタカは、目を開ける事もなくなってしまいました。
「このままずっと、こんななのかな〜……」
その時。
くんっ!
タカは、急に落ち始めました。
「うわっ!なんだなんだ!?」
太陽に背を向け、白い雲を突き破り、タカはどんどん落ちて行きます。
なぜか、頭が重いです。
そのせいで、頭から真っ逆さまに落ちているようでした。
やっと気付き、タカは頭を持ち上げました。
そして、落ち着いてから見ると、タカには小さな鳥が乗っていました。
『やぁ。』
「やぁ、じゃない!なんだお前は!!」
『ぼくはシュン。渡り鳥なんだ。』
「危ないじゃないか!鳥が何で俺に乗ってるんだ」
『実は、みんなで飛んでいるうちにはぐれちゃって。』
『ずっとみんなを探していたら、疲れてしまって…休みたいなと思っていたらキミを見つけたんだ。』
「ふ〜ん、シュンも大変なんだね。」
『ごめんね。』
「まぁ、キミも大変みたいだし。言ってくれたらいつでも止まっていいよ。」
『…ありがとう!』
「ところで、いつ頃から1人ぼっちに?」
『う〜ん…みんなとはぐれてから、もう1週間になるかな…。』
「1週間か…じゃあ、簡単には見つからないかもね。」
『でも、時間がかかっても みんなを見つけたいんだ。』
「そっか…。よし!」
『?』
「どうせ暇だし、みんなを探すのを手伝ってあげよう!」
『え!?いいの?』
「いいのいいの。ただ飛んでるのも飽きてきてたしね。」
『それじゃ、お言葉に甘えようかな。えぇっと…』
「あ、俺はタカ。」
『鷹!?』
「ん?」
『鷹はぼくたちを食べる鳥の名前だ!!』
「…あ。でもほら、俺は凧だから。」
『うん…それじゃあタカ、よろしくね…。』
「…まだ警戒してるでしょ?」